労災保険の給付対象となる労働災害には、通勤災害と業務災害の2種類があります。
どのようなときに通勤災害や労働災害と認められるのか、具体例を挙げながら解説します。
業務災害と認定されるもの
労災保険では、仕事中のケガや病気・死亡を「業務災害」といいます。
就業中に発生したものについては原則業務災害と認められますが、休憩中に発生したもの、個人的な事情によるものは業務災害と認められません。
ただし、休憩中であっても施設や設備の管理状況が原因であれば業務災害と認められます。
病気については、業務との間に因果関係が認められる病気を「業務上疾病」、いわゆる「職業病」も業務災害として労災保険の給付対象となります。
近年、仕事によるストレス(業務による心理的負荷)が関係した労災請求が増えていますが、「ひどい嫌がらせ、いじめ、または暴行を受けた」ことにより「うつ病」を発病したとして認定された事例もあります。
通勤災害と認定されるもの
労災保険では、通勤中のケガや病気・死亡を「通勤災害」といいます。
通勤とは、次のような移動を、合理的な経路および方法で行うことを指します。
ここでいう「通勤」とは、事業主に報告している通勤経路と手段のことです。
私用でこの経路から外れたり、電車通勤と申告しているのに自転車で通勤したりして事故に遭った場合には通勤災害と認められません。
途中で寄り道をした場合は、どこに寄ったかなどによって、通勤として認められるかどうかが異なります。
例えば、通勤途中にコンビニエンスストアで日用品の買い物をした後、通常の通勤経路に戻った場合には通勤と認められますが、映画館に入り映画を観た場合やお酒を飲みに行った場合は認められません。
まとめ
労災保険では、このような業務災害や通勤災害が起きてしまった際に、被保険者に対して療養費用などの給付、また障害が残った場合などには年金の支払いが行われます。
労災保険から給付を受けるには、労働基準監督署に備え付けてある請求書を提出した後、労働基準監督署による調査が必要になります。
詳しく知りたい場合には、勤務先の担当部署や労働基準監督署に確認しましょう。
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